2025.12.18
オンラインイベントとは?配信の流れからメリット・活用事例まで解説
オンラインイベントの開催により、BtoCではファンとの交流を深められ、BtoBでは新たな商談の機会につなげられるなど、多くのメリットが得られます。
ビジネスからエンターテイメントまで幅広い分野で活用されていますが、成功させるにはオフラインイベントとは異なるノウハウが求められます。
この記事では、オンラインイベントの基礎知識から具体的な活用シーン、開催するメリットを解説します。さらに、イベントを成功に導くための7つのステップや開催事例も詳しく紹介するので、イベント開催時のご参考にしてください。
目次
オンラインイベントとは?
オンラインイベントとは、インターネット上で開催されるイベントの総称です。ウェビナーやバーチャル展示会、ライブ配信など多様な形式があり、物理的な会場を必要としないため、地理的な制約なく多くの参加者を集められます。
オンラインイベントの種類
オンラインイベントは、対象とする参加者によって「BtoC(一般消費者向け)」と「BtoB(企業向け)」の2種類に大別され、それぞれ目的や内容が異なります。
| BtoC向けイベント | BtoB向けイベント | |
|---|---|---|
| 目的例 | ・エンターテイメントの提供 ・個人のスキルアップ支援 | ・リード獲得(マーケティング・営業活動の促進) ・企業ブランディング |
| 代表例 | ・音楽ライブ ・オンライン講座 ・ファンミーティング | ・ウェビナー ・オンライン展示会 ・商品説明会 ・決算説明会 |
このように、対象者によってイベントの目的や形式は大きく異なります。そのため、自社がオンラインイベントを開催する際は、その目的に合致した形式を選択することが重要です。
オフラインイベントとの違い
オフラインイベントとの主な違いは、開催場所、参加人数、コストの制約の有無にあります。
オンラインイベントは物理的な会場を必要とせず、インターネット環境さえあれば参加人数の上限なく世界中から集客できます。そのため、会場費や設営費、当日の運営に関わる費用などを大幅に削減できる点が大きな特徴です。
一方で、オフラインイベント特有の会場の熱気や一体感を再現するのは難しく、参加者同士の偶発的な交流が生まれにくいという側面もあります。
オンラインイベントの活用シーン
オンラインイベントは、ビジネスからエンターテイメントまで、実にさまざまなシーンで活用されています。ここでは、主な活用シーンを以下の6つに分けて紹介します。
- 【社外向け】セミナー・展示会・商品説明会
- 【社内向け】入社式・表彰式・全社会議・キックオフイベント
- 【採用活動】会社説明会・採用イベント・社員トークライブ
- 【医療・学術分野】国際セミナー・学会・講演・研究発表会
- 【教育分野】オープンキャンパス・オンライン説明会
- 【顧客・ファン向け】ファンミーティング・ブランドイベント・ライブコンサート
【社外向け】セミナー・展示会・商品説明会
BtoBビジネスにおいて、オンラインイベントは新規顧客の獲得や既存顧客の育成など、マーケティングの各段階で活用されます。たとえば、特定のテーマを深掘りする「ウェビナー」や、仮想空間にブースを出展する「オンライン展示会」などが代表的です。参加者は場所を問わず気軽に参加できるため、主催者はこれまで接点のなかった層にもアプローチできます。
また、オンラインイベントでは、参加者の行動データを活用して効率的に商談へつなげられる点もメリットです。
たとえば、資料をダウンロードした参加者は製品への関心度が高いと判断できるため、優先的にアプローチできます。さらに、配信中にチャット機能で寄せられた具体的な質問にその場で回答したり、後日個別にフォローしたりすることで、不明点を解消でき、スムーズに商談へと移行させられます。
【社内向け】入社式・表彰式・全社会議・キックオフイベント
全国や海外に拠点を持つ企業が、物理的な距離を超えて組織の一体感を醸成する目的で、社内向けイベントを活用するケースも増えています。
入社式や表彰式、キックオフミーティングなどをオンラインで実施することで、全社員が同時に参加できます。これにより、経営層からのメッセージを全社員に直接届けられ、企業理念やビジョンの共有を促進する効果が期待できます。
【採用活動】会社説明会・採用イベント・社員トークライブ
採用活動においても、地理的な制約なく全国の優秀な人材にアプローチする手段としてオンラインイベントが有効です。
会社説明会やインターンシップをオンラインで開催することで、これまで接点のなかった遠隔地の学生や求職者と出会う機会を作れます。それにより、企業側はより多くの人材に自社の魅力を伝えられ、企業理解を深めてもらえます。
【医療・学術分野】国際セミナー・学会・講演・研究発表会
医療・学術分野では、国際セミナーや学会でオンライン形式の活用が進んでいます。
主催者は、移動の負担なく世界中の専門家を招待でき、著名な研究者の参加ハードルを下げられます。参加者である医療従事者も、移動費や時間を抑えながら専門知識を深められます。
また、リアルタイムのチャット機能などを活用することで、参加者間の双方向コミュニケーションを促し、議論を深めることも可能です。
【教育分野】オープンキャンパス・オンライン説明会
教育分野では、オープンキャンパスやオンライン説明会が、全国の入学希望者に向けて開催されています。
バーチャル空間で臨場感のあるキャンパスを再現するなど、オンラインならではの手法で学校の魅力を直感的に伝えられます。入学希望者は移動コストや時間をかけずに複数の学校を比較検討できるため、学校側はより広い地域の学生にアプローチでき、教育機会の地域格差の解消も期待できます。
【顧客・ファン向け】ファンミーティング・ブランドイベント・ライブコンサート
既存顧客やファンとの関係性を深めるエンゲージメント施策としても、オンラインイベントは有効です。
ユーザー交流会やファンミーティングを通じて参加者同士の情報交換を促し、ブランドへの愛着を深めてもらえます。これにより、コミュニティの活性化やロイヤルティの向上につなげられます。また、アーティストのライブコンサートやブランドイベントをオンラインで配信することで、新たなファン層の獲得も可能です。
オンラインイベントを配信するメリット
多くの企業がオンラインでのイベント開催を進める背景には、オフラインにはないさまざまなメリットがあるためです。ここでは、その詳細を以下の4つに分けて解説します
- 全国から集客でき、参加者の幅が広がる
- 会場費や人件費などの開催コストを削減できる
- 参加者のデータを取得・分析しやすい
- 天候や場所に左右されずに開催できる
全国から集客でき、参加者の幅が広がる
従来のオフラインイベントでは、開催地までの距離や移動時間が障壁となり、参加を諦めてしまう人も少なくありませんでした。
しかし、オンラインイベントは地理的な制約を受けないため、全国、さらには世界中から参加者を集められます。これまでアプローチできなかった層にも情報を届けられるため、新たな見込み顧客の獲得や、海外市場への展開などが期待できます。
会場費や人件費などの開催コストを削減できる
オフラインイベントでは、会場のレンタル費や設営費、当日の受付・案内スタッフの人件費などが高額になりがちです。オンラインに切り替えることでこれらの費用が不要になり、開催コストを大幅に抑えられます。削減した予算をコンテンツの質の向上や集客プロモーションに再投資すれば、より満足度の高いイベントを開催できるでしょう。
参加者のデータを取得・分析しやすい
オフラインイベントでは、参加者の具体的な行動を把握することが困難でした。しかし、配信プラットフォームには参加者の行動を記録する機能が備わっています。そのため、オンラインイベントでは申込時の属性情報に加え、視聴時間や資料のクリック履歴といった行動データを定量的に取得できます。
これらのデータを分析することで、参加者の興味・関心を詳細に把握でき、イベント後の効果的なフォローアップや次回の企画改善に役立てられます。
天候や場所に左右されずに開催できる
オフラインイベントは、台風や大雪といった悪天候、あるいは感染症の流行など、不測の事態によって中止や延期を余儀なくされるリスクが常に伴います。オンラインであれば、こうした外的要因の影響を受けることなく、計画通りにイベントを実施できます。事業継続計画(BCP)の観点からも、参加者と主催者の安全を確保しながら事業活動を継続できる有効な手段といえます。
オンラインイベント配信の流れ
イベントを成功させるためには、企画から配信後のフォローまで、体系的に準備を進めることが重要です。ここからは実際にイベントを開催する際の具体的な流れを解説します。

- 企画立案(目的・ターゲット・ゴールの設定)
- 配信環境の構築(ツール・機材・場所の選定)
- 集客プロモーション
- 当日使用するコンテンツや資料の作成
- リハーサルの実施
- イベント本番
- イベント終了後のフォローと効果測定
1. 企画立案(目的・ターゲット・ゴールの設定)
まず、「何のために(目的)」「誰に(ターゲット)」イベントを届けるのかを具体的に定義し、関係者間で共通の認識を持つことが重要です。
そのうえで、「参加者数〇人」や「商談化率〇%」のように、測定可能なゴール(KGI・KPI)を設定しましょう。これにより、イベントの成果を客観的に評価でき、次回の改善につなげられます。イベントの種類ごとの設定例は以下の通りです。
| イベントの種類 | 目的例 | ターゲット例 | KGI・KPIの例 |
|---|---|---|---|
| BtoBセミナー | 新規リード獲得 | 製品導入を検討している企業の担当者 | ・参加者数100人 ・アンケート回答率80% |
| 採用説明会 | 母集団形成 | 自社に興味を持つ学生 | ・エントリー数50件 ・参加満足度90% |
2. 配信環境の構築(ツール・機材・場所の選定)
次に、企画内容に基づき、安定した配信環境を構築します。そのために選定すべき主な要素は以下の通りです。
- 配信ツール
- 配信用機材
- 配信場所
配信の方向性(一方通行か双方向か)や想定される参加人数に応じて、ZoomやMicrosoft Teamsといった配信プラットフォームを選びましょう。
また、高品質な配信を実現するためには、十分なスペックのPCに加え、外部マイクやカメラ、照明などの機材を準備することが望ましいです。
配信場所は、雑音が入らずインターネット回線が安定している場所を選定しましょう。
3. 集客プロモーション
配信環境の準備と並行して、設定したターゲットに情報を届けるための集客プロモーションも展開しましょう。主なプロモーション手法としては、以下が挙げられます。
- 自社Webサイトでの告知
- SNSでの発信
- メールマガジンでの案内
- プレスリリースの配信
- Web広告の活用
イベントの開催日から逆算し、たとえば3週間前など、十分な告知期間を設けてプロモーションを開始することが、集客を成功させるうえで重要です。
4. 当日使用するコンテンツや資料の作成
コンテンツや資料作成は、参加者の満足度を左右する重要工程です。
以下の項目を事前にしっかり準備しておきましょう。
- 講師・ゲストの選定
- 視覚的にわかりやすいスライドの作成
- 当日の進行台本の準備
- 想定質問(Q&A)リストの作成
これらの質が高いほど、視聴者の理解度や満足度も向上します。オンラインイベントの目的に合わせて、丁寧に作り込むことが成功のポイントです。
5. リハーサルの実施
本番当日の予期せぬトラブルを防ぐため、進行と技術の両面から入念なリハーサルを実施することが欠かせません。
当日のタイムスケジュールに沿って全体の流れを確認する「進行リハーサル」では、各コンテンツの時間配分や登壇者の交代がスムーズに行えるかを確認しましょう。加えて、映像や音声、画面共有といったシステムの動作をチェックする「技術リハーサル」も必須です。
トラブル発生時の対応策についても事前に決めておくと、本番で慌てずに対処できます。
6. イベント本番
イベント本番では、事前のリハーサルで確認した役割分担を徹底し、不測の事態にも迅速に対応できる体制で運営に臨みます。
司会進行や登壇者とは別に、配信状況を監視する専任スタッフを配置し、技術的なトラブルに備えましょう。また、参加者から寄せられるチャットや質問に丁寧に対応するなど、双方向のコミュニケーションを意識した運営を心がけることで、参加者の満足度を高められます。
7. イベント終了後のフォローと効果測定
イベントは配信して終わりではありません。参加者へのフォローアップと効果測定を実施し、得られたデータを次回の施策に活かすことが、投資対効果を最大化するうえで重要です。イベントの成果を客観的に評価し、継続的な改善サイクルを回すことで、より効果的なイベントの開催が可能になります。
オンラインイベントの配信を成功させる7つのポイント
オンラインイベントを成功に導くためには、視聴者を惹きつけ満足度を高めるための工夫やトラブルを想定して防止することが重要です。
ここでは、企画から配信後の活用まで、イベントの質を最大化するための7つのポイントを解説します。
- 安定した配信環境を構築する
- 視聴者の離脱を防ぐ企画・進行を工夫する
- 参加者との双方向のコミュニケーション要素を取り入れる
- トラブルを想定し対策しておく
- イベント後のフォローアップをする
- 配信後の動画をアーカイブとして有効活用する
- イベントの目的に合致した配信プラットフォームを選定する
1. 安定した配信環境を構築する
高品質な配信を安定して届けるためには、性能の高い業務用カメラやスイッチャーといったプロ仕様の配信基盤を整えましょう。家庭用の機材では映像や音声の品質に問題が生じたり、長時間の配信に耐えられず熱で停止してしまったりする恐れがあります。
また、万が一の機材トラブルに迅速に対応できる経験豊富な技術スタッフがいれば、配信の中断といったリスクを最小限に抑えられます。
このように、機材とスタッフの両面からしっかりとした配信体制を整えることで、視聴者はストレスなくイベントに集中できます。
2. 視聴者の離脱を防ぐ企画・進行を工夫する
オンラインイベントでは、視聴者の途中離脱を防ぐため、参加者が受け身にならず能動的に関われるような企画や進行を工夫することが大切です。
オンラインでの参加は、自宅などリラックスした環境であることが多く、他のことに気を取られやすいため集中力が途切れやすく、単調な進行が続くと離脱につながりやすいです。
たとえば、イベントの目的やターゲットに合わせて、以下のように参加者が体験価値を感じられる企画が有効です。
- 社内イベント:クイズ大会・謎解きなど、一体感が生まれる施策
- 顧客向けイベント:工房見学・ワークショップなど、体験価値を演出
参加者を飽きさせないよう、双方向のコミュニケーションを取り入れたり、プログラムに変化を持たせたりする工夫をしましょう。
3. 参加者との双方向のコミュニケーション要素を取り入れる

オンラインイベントの成功には、参加者との双方向コミュニケーションを取り入れ、一体感を醸成してエンゲージメントを高めることが欠かせません。
たとえば、以下のような機能を活用することで、リアルタイムで参加者の声を取り上げ、当事者意識を醸成できます。
- チャット・Q&A : 質問をリアルタイムで拾う
- アンケート・投票 : その場で意見を反映する
- ブレイクアウトセッション : 少人数で議論し集中力UP
このような要素を取り入れることで、一体感と満足度が大きく向上します。
4. トラブルを想定し対策しておく
オンラインイベントでは、配信環境に依存する以上、通信障害や機材トラブルは常にリスクとなります。これらのトラブルは参加者の満足度を著しく低下させるため、リハーサルの実施や対応フローの確立など、事前の対策を徹底することが重要です。
主要な対策としては、リハーサルで配信ツールや機材の性能を入念にチェックし、予備回線やバックアップ機材を準備することです。また、配信が中断した際の代替連絡手段や、問い合わせ窓口を参加者にあらかじめ周知しておくといったリスク管理も徹底しましょう。
オンラインイベントで想定される主なトラブルと対策は以下の通りです。リハーサルに際して、以下のような対策を忘れず行っておきましょう。
| トラブルの種類 | 想定される事象 | 主な対策 |
|---|---|---|
| 映像トラブル | 映像が映らない 画質低下・フリーズ | カメラ・配信ソフトの事前テスト 予備カメラ |
| 音声トラブル | ノイズ・音割れ無音 | 複数回のマイクテスト 予備マイク 静かな会場 |
| ネットワークトラブル | 映像・音声の遅延 配信途切れ | 有線LAN 回線速度確認(上り30Mbps以上推奨) 予備回線の準備 |
5. イベント後のフォローアップをする
イベントの効果を最大化するためには、具体的なフォローアップ施策を実行することが重要です。
たとえば、参加者アンケートを実施して満足度や改善点を直接ヒアリングしたり、配信ツールで取得した視聴時間や離脱ポイントなどの行動データを分析したりすることで、企画の評価と改善点が見えてきます。
また、参加者へのお礼メールとともに関連資料を送付するなど、丁寧なフォローを行うことで、参加者との継続的な関係を構築できます。
6. 配信後の動画をアーカイブとして有効活用する
ライブ配信した映像は、編集してアーカイブ動画として活用することで、一度きりのイベントを永続的な資産に変えられます。ライブ配信映像の不要部分をカットし、テロップや資料を追加して再編集すれば、より見やすいオンデマンドコンテンツを作成できます。
アーカイブ動画を公開することで、当日参加できなかった層への情報提供や、見逃した視聴者へのフォローが可能です。さらに、内容を分割してSNSで発信したり、新人研修の資料として二次利用したりすれば、コンテンツの価値を多目的に最大化できます。
7. イベントの目的に合致した配信プラットフォームを選定する
イベントの成否を左右するため、参加人数、双方向性の要否、必要な機能などを基準に、目的に合致した配信プラットフォームを選定しましょう。
以下は代表的なプラットフォームです。
| プラットフォーム | 適したイベント |
|---|---|
| Zoom / Teams | 少人数セミナー / 社内イベント |
| バーチャル展示会ツール | 大規模カンファレンス |
| YouTube Live | 幅広い視聴者に届けたいセミナー |
| ニコニコ生放送 | 一体感を重視するファンイベント |
| TikTok LIVE | 若年層向けのプロモーション |
ターゲット層と目的から逆算して選定することが成功の鍵です。
オンラインイベントの費用相場と内訳
オンラインイベントの配信を専門会社に依頼する場合の費用は、内容によって変動しますが、基本的なパッケージで30万円程度からが目安です。費用は主に以下の要素で構成されます。
- 配信システム利用料 : Zoomなどのプラットフォーム利用費
- 撮影スタジオ・機材費 : スタジオやカメラ、マイクなどのレンタル費用
- 運用・サポート費用 : 当日の技術スタッフ、ディレクターの稼働費
- 動画制作費 : オープニング映像の制作、アーカイブ編集の費用
また、費用は主に以下の要素によって大きく変動します。
- イベントの規模 : 参加者数や配信会場の広さ
- 配信時間 : イベント全体の拘束時間
- 必要な機材やスタッフの人数 : カメラ台数、オペレーターの人数
- 動画編集の有無 : アーカイブ・ダイジェスト動画の制作など
これらの要素によって費用は変動するため、多くの配信代行会社では複数のパッケージプランが用意されています。依頼する際は、どこまでがプランに含まれるかを事前に確認することが重要です。
なお、トラブルなく配信を終え、成果にもつなげるためには、費用の安さだけでなく、安定した配信が行える体制であるか、配信実績、配信後のマーケティング面の支援の有無などもチェックしておくと安心です。
オンラインイベント配信は専門会社へ!依頼する業者を選ぶ5つのポイント
自社でリソースを確保するのが難しい場合、専門会社への依頼がイベントの質を最大化する有効な手段です。しかし、業者の質はさまざまであるため、慎重に選定する必要があります。
ここでは、業者選定で失敗しないための以下の5つのポイントを解説します。
- 各分野の専門スタッフによる現場対応力があるか
- プロ仕様の機材を保有しているか
- 撮影から編集・アーカイブ化まで一括で対応できるか
- 全国出張・スタジオ収録に対応できるか
- サポート範囲と実績・費用感を事前に確認できるか
1. 各分野の専門スタッフによる現場対応力があるか
配信業者を選定する際は、各分野の専門スタッフが在籍し、予期せぬ事態にも迅速に対応できる高い現場対応力があるかを確認することが重要です。たとえば、以下のような各分野の専門知識と豊富な現場経験を持つチームかを確認しましょう。
- 配信ディレクター
- スイッチャー
- カメラマン
- 音声オペレーター など
専門スタッフによるしっかりとした現場対応力があれば、配信の中断といった致命的なリスクを最小限に抑えられ、イベントを成功に導けます。
2. プロ仕様の機材を保有しているか

高品質で安定した配信を実現するためには、業者がプロ仕様の映像・音響機材や安定したネットワーク環境を保有しているかを確認する必要があります。
たとえば、以下のようなプロ仕様の機材は、高品質な映像と音声を安定して届け、スムーズな運営を行ううえで重要です。
| 機材例 | 役割 |
|---|---|
| 4K対応の業務用カメラ | 鮮明で高精細な映像を撮影する |
| オーディオミキサー | 複数のマイク音声を調整し、クリアな音質を実現する |
| ライブスイッチャー | 複数のカメラ映像や資料映像をスムーズに切り替える |
| 照明機材 | 登壇者の表情を明るく見せ、映像のクオリティを高める |
| ワイヤレスインカム | 離れた場所にいるスタッフ同士が連携し、スムーズな進行を実現する |
| プロジェクター/大型スクリーン | 会場にいる参加者に向けて、映像やスライドを大きく映し出す |
また、スタジオからの配信を検討している場合は、高速かつ冗長化(回線を二重化し、障害に備えること)されたインターネット回線が整備されているかも、安定配信を実現するための重要なポイントです。
機材の質と量は配信のクオリティに直結するため、事前に保有リストや実績をホームページなどで確認するのが望ましいです。
3. 撮影から編集・アーカイブ化まで一括で対応できるか
撮影から配信後の動画編集・アーカイブ化までを一括で対応できる業者を選ぶことで、円滑なプロジェクト進行が期待できます。
撮影・配信だけでなく、その後の動画編集やデータ納品まで一貫して依頼できる業者を選べば、窓口が一本化され、コミュニケーションが円滑になります。これにより、担当者の負担を大幅に軽減できるだけでなく、品質を保ちながら迅速な成果物の納品が期待できます。
4. 全国出張・スタジオ収録に対応できるか
希望する場所からの配信を実現するため、全国への出張対応や、配信用途に最適化されたスタジオでの収録が可能かどうかも重要な選定ポイントです。
本社や支社のオフィス、外部のイベントホールなど、希望する場所から配信を行いたい場合、全国への出張対応が可能かを確認しましょう。出張経験が豊富な業者であれば、事前のロケーションハンティングから機材運搬、現地のネットワーク環境の確認まで含めて任せられます。
また、業者によっては専用スタジオでの収録も可能です。スタジオを利用すれば、プロ仕様の撮影・音響機材や高速で安定したインターネット回線が完備された環境で、より質の高い配信が期待できます。
5. サポート範囲と実績・費用感を事前に確認できるか
業者選定でのミスマッチを防ぐためには、とくに以下の3つの点を詳細に確認し、総合的に判断することが重要です。
- サポート範囲:企画段階から配信後の分析まで、どこまでをサポートしてくれるか
- 過去の実績:自社が開催したいイベントと類似した案件の実績があるか
- 費用感:費用の内訳は明確か、内容に対して妥当な金額か
これらを事前に擦り合わせておくことで、「この作業はプラン外だった」「思ったより追加費用がかかった」といったトラブルを防げます。
オンラインイベントの配信事例5選
オンラインイベントは、周年イベントやセミナー、社内イベントなど、さまざまな目的で活用されています。どのようなイベントが実現できるのか、具体的な配信事例を5つ紹介します。
- 【周年イベント】SNSを活用したライブ配信
- 【金融セミナー】大規模施設からの安定配信
- 【ウェビナー】貸し会議室からの出張配信
- 【社内イベント】ホテル会場での収録・配信
- 【展示会セミナー】現地収録とYouTubeでのオンデマンド配信
【周年イベント】SNSを活用したライブ配信
こちらは企業の周年イベントで東京都内の結婚式場を会場として、SNSの「TikTok LIVE」を活用したライブ配信を行った事例です。
【ライブ配信】都内会場でTikTok LIVEを使用した周年・イベント配信
この配信では、有人カメラ2台と固定カメラ1台の合計3台体制が組まれ、4名の専門スタッフが担当。配信プラットフォームの特性に合わせて「OBS Studio」というソフトウェアで処理を行うなど、技術的な工夫が凝らされました。
イベントには多くのフォロワーを持つ人気TikTokerが出演したこともあり、ファンとのリアルな交流の場として大いに盛り上がりました。
この事例におけるポイント
ターゲット層に合わせたSNSプラットフォームを選定する
影響力のあるインフルエンサーを起用し集客力を高める
コメント機能を活用し、視聴者との双方向性を演出する
【金融セミナー】大規模施設からの安定配信
次に、大規模施設から配信を行った金融セミナーの事例です。新宿三角広場で開催されたこの証券セミナーには約1,000名が来場し、プログラムは10時間にもおよびました。
【ライブ配信】東京都内の屋内大型施設で証券セミナーイベントをオンライン配信
このイベントでは、メイン会場とサテライト会場の2箇所から、同時にYouTube Liveで中継を行いました。メインブースで映像ソースを一括管理する体制を構築したことで、スイッチャー1名による二元中継を実現できました。
また、会場間の距離が約50mと離れていたため、信号の劣化が少ない光ケーブルで映像データを伝送することで、高品質な映像を安定して届けられるようにしました。スタッフ間の連携にはワイヤレスインカムを多用することで、長時間のイベントでもスムーズな運用を可能にしました。
この事例におけるポイント
大規模・長時間の配信に耐えうる安定した通信インフラを確保する
複数拠点からの映像・音声を一元管理できる体制を構築する
スタッフ間の円滑な連携を可能にするインカムシステムを導入する
【ウェビナー】貸し会議室からの出張配信
貸し会議室を利用し、小規模な観客を前にしたウェビナーを配信・収録した事例です。
【ライブ配信】レンタルスペース(貸し会議室)からのウェビナー配信・ロケ配信・アーカイブ編集|ワンストップスタジオ東京
会場の広さや設備によって持ち込む機材は異なりますが、この事例では専門のテクニカルディレクターが案件に応じた最適な機材を選定。
イベントの様子はZOOMとYouTube Liveでオンライン配信しつつ、後日アーカイブ映像として活用するために収録も同時に行いました。
また、収録後の編集も実施。不要な部分をカットする簡易な編集から、オープニング映像の制作といった演出面の強化、さらには長尺アーカイブ映像のアップロードまで一括で対応することで主催者の負担を軽減し、スムーズなプロジェクト進行を実現しました。
この事例におけるポイント
外部施設を利用する際は、ネットワーク環境などの事前確認を徹底す
るライブ配信と同時に収録を行い、コンテンツを二次利用する
配信から編集まで一括対応できる業者を選び、進行を円滑化する
【社内イベント】ホテル会場での収録・配信
全国に拠点を持つ企業の社内ミーティングを、都内のホテル会場で収録した事例です。
近年、全国規模の企業では、パートナーやグループ向けのミーティングが周年・半期ごとのイベント化しており、オンラインを活用して大規模に開催される傾向があります。
この事例では、会場の照明や音響はホテルスタッフが担当し、配信業者(弊社)はカメラ撮影やプロジェクターへの映像送出、スイッチングといった映像関連のオペレーションを担いました。
こうした対応により、外部会場でありながらもスムーズな連携を実現。収録後のアーカイブ編集やテロップ、字幕の追加なども行い、イベント映像を後日視聴する社員にとってもわかりやすいコンテンツとして完成させました。
この事例におけるポイント
会場側と配信業者で連携する、役割分担を事前に明確にする
機密情報を含む場合は、セキュリティ対策が施された配信方法を選ぶ
全拠点の一体感を高めるため、双方向のコミュニケーションを企画する
【展示会セミナー】現地収録とYouTubeでのオンデマンド配信
最後に、展示会会場で開催されたセミナーを現地で収録し、後日YouTubeでオンデマンド配信した事例を紹介します。
【ライブ配信】展示会・イベント会場での現地セミナーを収録・YouTubeオンデマンド配信
この収録では、後方からカメラ2台で登壇者と会場全体を撮影し、音声はピンマイクで行っています。
収録後の編集では、スライドと映像を合成し、不要な部分をカット。完成したデータをYouTubeで配信代行まで一括サポートすることで、主催者の負担を軽減し、収録から公開までを迅速に行いました。
この事例におけるポイント
編集を前提に、映像・音声・スライドを個別に高品質で収録する
不要部分のカットやテロップ追加を行い、視聴しやすい動画に編集する
完成した動画をYouTubeなどで公開し、情報資産として二次活用する
オンラインイベントの撮影・ライブ配信ならワントップスタジオ東京へ

オンラインイベントを成功させるためには、企画だけでなく、安定した配信環境や現場対応力、配信後の映像活用まで、一連の工程を高い品質で実行できるパートナーが欠かせません。ワントップスタジオ東京では、オンライン配信に必要な体制をすべて揃え、イベントをトータルでサポートします。
各分野の専門スタッフによる高い現場対応力
ワントップスタジオ東京では、配信ディレクター、スイッチャー、カメラマン、音声オペレーターなど、各分野の専門スタッフがチームでサポートします。
事前のリハーサルから本番当日まで、回線トラブルや機材不具合といった想定外の事態にも、その場で最適な判断と対応ができる体制を整えています。こうした現場対応力により、配信の中断や大きなトラブルのリスクを抑え、安心してイベント運営に集中していただけます。
プロの機材と専用スタジオで、高品質な配信を実現
4K対応カメラや業務用スイッチャー、ミキサー、照明機材など、プロ仕様の映像・音響機材を標準的に使用し、クリアな画質と聞き取りやすい音声で配信できる環境を整えています。
専用スタジオには、高速かつ安定したインターネット回線や、配信に最適化された照明・防音環境も完備。企業セミナーからブランドイベント、社内向け配信まで、オンラインイベントの内容や規模に応じて、最適な配信クオリティをご提供します。
撮影・配信・アーカイブまで、出張・スタジオ収録を問わずワンストップ対応
当日の撮影・ライブ配信、配信後のアーカイブ編集・ダイジェスト動画制作まで、ワントップスタジオ東京に一括でお任せいただけます。
東京都内のホテル・貸し会議室・イベントホールなどへの出張配信はもちろん、京都・東京に構える自社スタジオでの収録にも対応可能です。会場・規模・目的に合わせて最適なプランを提案し、窓口を一本化することで、担当者さまの負担を抑えながらスムーズなオンラインイベント運営を実現します。
ワンストップスタジオ東京のオンラインイベントの配信サービスはこちら
まとめ
オンラインイベントは、全国から参加者を集められ、会場費や運営コストを抑えながら高い効果を得られる魅力的な手法です。しかし、成功させるには、企画の工夫や安定した配信環境の構築、トラブル対策、アーカイブ活用まで、多角的な準備と専門的なノウハウが欠かせません。
とくに、画質・音質のクオリティや演出、配信中の迅速な対応は、参加者の満足度を大きく左右します。そのため、自社だけで完結させるのが難しい場合は、専門会社を活用することで、安定した配信と確かな成果につながりやすくなります。
オンラインイベントの撮影・ライブ配信をご検討中の方は、ぜひ一度ワンストップスタジオ東京へお気軽にご相談ください。
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YouTubeライブ配信を行う方法を解説!配信の種類や注意点も紹介
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